【Because, ワイン 裏話 vol.2】 産地で味わうビコーズ〜フランス編〜
INDEX
世界のワイン生産地としてのフランス
ワインの基礎とも言える国、フランス。
歴史と伝統、ワインの品質とブランド力などで世界トップレベルを誇ります。それにより誰もが憧れる有名ワインをはじめ、各地方から高品質のワインが生産されています。 まさに世界一のワイン国です。
少し歴史を見ていきましょう。
紀元前6世紀に古代ギリシャ人からブドウ栽培が伝わったのが始まりでした。その後古代ローマ人の手により各地にワイン造りが広まり、ブルゴーニュ、ボルドー、シャンパーニュ、ローヌという今に繋がる銘醸地が生まれたのです。 そして1935年にA.O.C(原産地統制呼称)を世界でも早い段階で成立させ、各地方のワインの品質を守りました。 それは現在のEU共通のワイン法の基礎となっています。
南フランスのワインの特徴
その中で南フランスはどのような地域なのでしょうか?
夏は暑く乾燥し、冬も穏やかないわゆる地中海性気候の地域です。この乾燥によりブドウ樹の病害のリスクが少なく、有機栽培も盛んに行われています。
一言で南フランスと言ってもいくつか地方に分かれており、リゾート地も多く観光産業が盛んなプロヴァンス地方と国内の約40%を占めるワイン生産量の大産地ラングドック・ルーション地方が特に有名ですね。
プロヴァンスはまさにロゼ王国。なんとここで造られるワインの約89%がロゼであり、辛口で爽やかな味わいは名産の魚介と相性抜群です。テラスで冷えたロゼをランチタイムに頂く、なんてことが日常の世界です。
ラングドックルーション地方も近年は高品質なワインを続々と生み出しています。ユニークな個性を持った品種も多くそれを生かしたワインに注目の産地です。
南フランスで造られるビコーズワイン
ビコーズシリーズには5種類のフランスおよび南フランスのワインがあります。
I’m Blanc de Blancs from France
繊細にはじける、うたかたの夢
フランスのシャルドネ100%のスパークリングワインに求めるもの。挙げればきりがありませんが、ビコーズで重視したのは「ふわっと上がってくる白いお花の香り」と「ピュアで豊かな果実味」の2つでした。
スパークリングはしっかり熟したぶどうを使うかどうかで品質が劇的に変わります。理想的に育ったぶどうでつくられたワインを選んで使用することで、2つの条件を満たすとともに、はちみつやアプリコット、ジンジャーなどの香りとフレッシュな酸味が層を成すように広がる魅惑的な味わいとなりました。
I’m Chardonnay from Southern France
さっぱりさわやか、エレガントな余韻
フランスのワインというと、果実由来の甘やかさと酸味のバランスが絶妙で、どこかに必ずエレガントさを備えています。フランスの中でも南の産地では、より果実味が豊かになりますが、重くどっしりとした味わいにはならず軽やかさを感じるのが魅力です。
南仏のシャルドネにもまさにこうした要素を求めました。レモン・黄桃・オレンジピールなどの美しい果実とお花の香りに熟した果実味があり、加えて酸味とミネラル感をじんわりと感じていただけるのではないでしょうか。カリフォルニアと比べると樽の香りは控えめで、果実味も軽やかです。
I’m Cabernet Sauvignon from Southern France
優しくスイート、ひそかに刺激的
一年を通して温暖で陽光がさんさんと照りつける南仏では、ぶどうはとてもよく熟し、ワインは果実味が豊かでボリューム感のあるものになります。ただし、カベルネ・ソーヴィニヨンにおいては、タンニンも多くなるため舌触りがごわっとしやすくなるというデメリットもあります。
ビコーズは、南仏らしい豊かな果実味とボリュームがありながらも、ごわごわしないスムーズな飲み心地を目指しました。フランスらしいエレガントさも併せ持ち、スパイスの香りやミネラルによる抜け感も感じるおしゃれな味わいです。
I’m Grenache from Southern France
華やかジューシー、うっとりロマンチック
最も苦労したのがこのワインかもしれません!
柔らかくて甘やかさとジューシーさのある果実味と、うっとりするような滑らかな質感はグルナッシュの絶対条件です。そこに南仏のエレガントさも少し足したい。そしてワインとしてのバランスを整えるためにはタンニンが少し必要・・・このようにグルナッシュには注文したいことがたくさんあるのです。出来上がったワインは南仏にしては若干涼やかな味わいではありますが、グルナッシュの魅力を十分に感じていただけると思います。
I’m Pinot Noir from Southern France
ぶどうの旨みが、華やかに踊る
フランスのピノ・ノワールというと高級産地ブルゴーニュが有名ですが、ブルゴーニュのコピーではなく、南仏らしいピノ・ノワールの表現を目指しました。
気候に恵まれた南仏ではぶどうが熟しすぎて濃く甘くなりすぎることが多いのですが、ピノ・ノワールならではのいちごやさくらんぼのようなチャーミングな果実の香りに抑えています。さらに、旨味あふれる黒糖のこっくりとしたニュアンスとほんのり感じるタンニン、穏やかな酸味が味わいを立体的に感じさせてくれます。ピノ・ノワールの醍醐味である華やかな香りを存分に楽しんでいただきたい1本です。
みなさんのお気に入りはどのワインですか?
ぜひ、飲み比べて探してみてくださいね。