こんにちは。ビコーズワイン運営チームのいづみです。
みなさんは、ワインを飲む時に聴きたい曲はありますか?
今回は、生誕200年を迎えるメモリアルイヤーの作曲家スメタナと、ワインのマリアージュを、フルート吹きの私がご紹介します♪
交響詩《我が祖国より》モルダウ × リースリング
今回はスメタナ作曲「モルダウ」と白ワインの 『Because, l’m Riesling from Germany』をマリアージュします。
この曲は、哀愁を誘うメロディーが印象的で、CMやBGMでもよく使われています。中学校の音楽の授業で学んだ方も多いと思うので、耳馴染みのある曲だと思います。
波乱万丈の人生!?作曲家スメタナとは
作曲家、ベドルジハ・スメタナは1824年にチェコで生まれ、2024年で生誕200年を迎えます。
メモリアルイヤーということで、今年はコンサートでもスメタナの曲を演奏されることが多いですね。
スメタナはチェコ国民楽派(ロマン派時代、自国独自の文化・歴史などに誇りを持ち作品に取り入れた作曲家)の開祖として知られています。
音楽家として天才的な才能を持っていたスメタナは、16歳でリストのピアノリサイタルに行き、曲をすべて耳コピして、リストが弾いた通りに友人たちに演奏をしたことをきっかけに、様々なコンサートへ行き、覚えた曲をピアノ版に編曲していました。
その後、プルゼニに行き引っ張りだこの音楽家となりました。
私生活では、25歳で結婚し、子宝にも恵まれ軌道に乗っていましたが、子どもたちが立て続けに幼くして亡くなり、妻も35歳で亡くなってしまいました。
44歳の時、チェコ人の悲願だった国民劇場の定礎式でスメタナの曲が上演されることになりました。
しかし、スメタナ批判を繰り返す音楽家がいて、心労が絶えない日々で体調を崩していきました。
ついに50歳の時には聴力を失ってしまいます。
その後、残りの人生のほとんどを作曲に費やすようになりますが、金銭的にも苦しい生活を送りながら、60歳で激動の人生に幕を下ろしました。
連作交響詩《わが祖国》より「モルダウ(ヴルタヴァ)」
耳が聴こえないながらも、作曲に一層励み完成したのが、連作交響詩《わが祖国》でした。
今回取り上げた、第2曲『モルダウ(ヴルタヴァ)』は、51歳のときに治療費のためのコンサートで初演され、大成功を収めました!
観客の大熱狂は、耳が聴こえないスメタナにも伝わり、涙を流して喜んだそうです。
6つの交響詩からなる連作交響詩《わが祖国》は、スメタナの祖国であるチェコの歴史、伝説、風景を描写した作品です。
第2曲『モルダウ(ヴルタヴァ)』は日本では「モルダウ」の名で馴染みがありますが、本来のチェコ語「ヴルタヴァ」で呼ばれていたりします。
リースリングとの相性は?
今回選んだドイツ産のリースリングはピュアですっきり爽やかな辛口。
曲名『ヴルタヴァ』はチェコを流れる川です。
涼しげに流れる川は、すっきり爽やかな味わいのリースリングにぴったりだと思い選んでみました。
ちなみに、ビコーズのリースリングは和食やお寿司にも合うワインなので、お料理も一緒にマリアージュしても楽しめますね♪
オーケストラが『ヴルタヴァ』の川をどのように表現されているか、爽やかなリースリングを飲みながら、音色・強弱にも注目して聴いてみてください♪
ヴルタヴァ川の源流はチェコの各地を流れています。
冒頭、2本のフルートの掛け合いは源流から水が湧き出る「水の流れ」を表現しています。
私も何度か演奏したことがありますが、流れるような音色で吹くのが思うようにいかず、何度も練習を繰り返した記憶があります。
ハープ・ヴァイオリンは「水しぶき」を表現しています。
水の流れを聴きながらリースリングを口に含むと心地よい酸を感じました。
クラリネットとフルートで2つの源流から、楽器が増えて川が合流し、1つの流れになっていくところは迫力があります。
楽譜では、テーマのフレーズに細かくクレッシェンドやデクレッシェンド、強弱記号がつけられていています。スメタナのこのテーマに対する思い入れが感じられますね。
躍動感があるとなぜかワインが進んでしまうのは私だけでしょうか。笑
後半の、急流に差しかかり激しい水しぶきをあげて渦を巻くところは、パーカッションや金管楽器、ピッコロが表現しています。その場面にも注目です!
重厚感がありながらも弦や木管楽器の音色で調和され、青りんごやレモンの香りを感じながら飲むとちょうどいいバランスでした。
ラストの音の余韻とワインの余韻を同時に味わうと、優雅な気分になりました。
まさにキャッチフレーズ『すっきりさわやか、気高い香り』だと実感。
今の季節はリースリングをよく冷やして、モルダウを聴きながら癒しの時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
次回も音楽とワインのマリアージュをお楽しみに♪
(ビコーズ運営スタッフ 三浦いづみ)