音楽とワインのマリアージュ♪ オーストラリア/シラーズ ✖ ブラームス「交響曲第1番」

こんにちは!ビコーズワイン運営チームのいづみです。

秋も深まり肌寒くなってきましたね。
みなさんは、ワインを飲む時に聴きたい音楽はありますか?

音楽と相性の良いワインを合わせることで、より味わい深く楽しむことができると思います。
このコラムでは、フルート吹きの私が音楽とワインのマリアージュをご紹介します。
今回は大曲につき、少し長くなりますが最後までお付き合いください♪

ブラームス「交響曲第1番」 × オーストラリア/シラーズ

今回は、ブラームス作曲の「交響曲第1番」と、ビコーズワインシリーズの12種類目となる新商品《Because, l’m Shiraz from Australia》をマリアージュしました。

このワインは、ビコーズ初のオーストラリア産、ぶどうの品種はシラーズです。
力強い日差しで種まで熟した糖度が高いぶどうで、渋味少なめ、濃厚でスパイシーな赤ワインです。
カシスやローズマリー、黒コショウやスモークベーコンのような香りが楽しめます。

ワインは飲む30分~1時間くらい前に開けておくのがおススメです!
ワインが空気に触れて落ち着きますし、ワインの香りが広がり渋みも和らぎ、時間と共に少しずつ味わいや香りが開いてくるのを感じていただけます。

なんと21年もの月日をかけて完成されたブラームスの傑作と言われる「交響曲第1番」。演奏時間は最後の4楽章まで聴くと約50分なので、時間をかけてゆっくりとワインの香りや味わいの変化をお楽しみください♪

作曲家:ブラームスの生涯

ヨハネス・ブラームスは1833年にドイツのハンブルクで生まれました。ロマン派を代表する作曲家ですが、新古典派ともいわれています。
バッハ、ベートーヴェンと並んでドイツの偉大な作曲家『三大B』と称される一人で、作曲家・ピアニスト・指揮者として活躍し、数々の名曲を残しました。

ブラームスは、幼少期よりコントラバス奏者の父から音楽教育を受け、その後ピアノや作曲を本格的に音楽を学びます。13歳で家計のためにダンスホールでピアノ演奏の仕事を始めました。13歳で夜の酒場で働くのは大変でしたが何とか家計を支えていました。

20歳でシューマンに会いに行きピアノソナタを見せたところ、大きな感銘を受けたとシューマン自身の音楽雑誌で大絶賛を受けました。
また、シューマンの妻でピアニストのクララとも生涯にわたって親しく交流を続けることになりました。

その後、シューマンは精神疾患で亡くなってしまい、妻のクララが子供たちの生活費を稼ぐための演奏旅行に出た際にブラームスが付き添ったり、様々な面倒を見てあげました。
クララとブラームスはお互いに魅かれあっていたことは有名ですが、実際に恋をしていたのかは二人にしかわかりません。気になるところですね…

ブラームスは39歳でウィーンへ本拠地を移します。作曲家ブラームスの名も浸透して「ドイツ・レクイエム」などの評価が高まり、名実ともに一流作曲家として認められたのです。
この当時のブラームスはウィーン楽友協会や各地での指揮活動、出版社からの収入など、かなりの年収を得るようになりました。おかげでクララと子供たちの援助も出来ました。

余談ですが…
1877年にエジソンが蓄音機を発明し、ブラームスが蓄音機に世界で初めて音楽を録音した人物だと言われています。当時は自分が演奏した音を、あとからゆっくり聴けるなんて夢のようだったのですね。

63歳で肝臓がんで亡くなるまでの間に、協奏曲や室内楽など他のジャンルでも傑作を数多く作りました。亡くなる前年にクララも亡くなっています。まるで、愛する人の最後を見届けてから安心して旅だったようにも思えますね。なんだか素敵な二人です…

完成に21年かけた大曲「交響曲第1番」

ブラームスは、22歳で交響曲を書こうと考えましたが、完成したのは43歳の時でした。
尊敬するベートーヴェンのような音楽を追求して交響曲に取り組みますが、ブラームスは「偉大なベートーヴェンの後にどんな交響曲を作ればいいのか」と悩みに悩み…完成まで21年もかかったそうです。

ようやく完成した交響曲第1番を聴いたドイツの指揮者ハンス・フォン・ビューローは「ベートーヴェンの第10交響曲だ!」と大絶賛しました。(ベートーヴェンの交響曲は第9番まで)

演奏は神奈川フィルハーモニー管弦楽団です。指揮者は沼尻竜典さん。
コンサートマスターの石田泰尚さん(第1ヴァイオリンの首席奏者)は個人的にファンで、硬派な外見とのギャップがあり、優雅で繊細な音色を響かせるヴァイオリニストとして有名です。

曲は第1楽章~第4楽章まで、約50分です。ワインをゆっくり飲むのにちょうどいい時間です 笑
神奈川フィル演奏の重厚感と繊細さをワインと共にお楽しみください♪

【第1楽章】

冒頭から、いきなり総動員での大音量からスタート!
ティンパニーとコントラバスの連打が重々しく、心臓がバクバクっと打っている音のように聞こえてインパクト大ですね。

第1楽章はベートーヴェンの交響曲第5番「運命」と同じハ短調です。「運命」を意識して同じ調から始めてると言われています。

【第2楽章(14分30秒スタート)】

第1楽章とはガラっと変わり、ロマンティックで甘いメロディーです。美しく心が和みます。
ここでワインを飲むと、穏やかな部分もあり渋みが落ち着いてきた気がしました。

途中、落ち着いた雰囲気の中でもどこか不安を感じるような場面もあるのでそのあたりも注目です。

【第3楽章(23分42秒スタート)】

曲調はクラリネットの綺麗でのびやかなソロに始まります。最後まで穏やかで安心感を感じるかもしれません。約5分程度と短い楽章です。

【第4楽章(28分35秒スタート)】

一番有名な楽章。「のだめカンタービレ」でも使われているので、聴いたことがあるかもしれません。
冒頭はまた重苦しい雰囲気になりますが、アルプスのように雄大なホルンのメロディーが登場します。

33分28秒から、この楽章の主題が演奏されます。
この主題はベートーヴェンの第九(4楽章)の主題「喜びの歌」を少し変えたもので、尊敬していたベートーヴェンの旋律を引用したそうです。

「喜び」は最高潮へ、勢いとともに駆け抜けるようにクライマックスを迎えます!ブラボー!!

オーストラリア シラーズとの相性は?

ビコーズのオーストラリア産シラーズは、濃厚でスパイシーな赤ワイン。この曲の力強さや情熱、複雑さがマッチしていると思います。

第1楽章の重厚感と緊張感から第4楽章のクライマックスに向けて、明るい光を予感させるようなメロディーに変化していきます。
ワインの香りと味わいも時間と共に徐々に変化をしていく・・・そんなところが曲とワインが寄り添っているように感じました。

今回はクラシックファンには有名なブラ1を取り上げてみましたが、馴染みのない方には少し長い曲だったかもしれません。

BGM感覚で流して聴いてみるとワインとの相乗効果で嵌っていくかも!?
知れば知るほどクラシックはおもしろい!
ぜひ気軽な気持ちで聴いてみてくださいね♪

(ビコーズ運営スタッフ 三浦いづみ)

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