音楽とワインのマリアージュ♪ ソーヴィニヨン・ブラン ✖ 「ペール・ギュント」第1組曲“朝”

こんにちは。ビコーズワイン運営チームのいづみです。
みなさんは、ワインを飲むときにどんな音楽を聴いていますか?
実は、音楽とワインにも“相性”があるんです。
音楽の雰囲気に合わせてワインを選んでみると、なんだかいつもよりちょっと特別な時間になることも。
このコラムでは、フルート奏者でもある私が音楽とワインのマリアージュをご紹介していきます♪
ペール・ギュント“朝” × ソーヴィニヨン・ブラン
今回はグリーグ作曲『ペール・ギュント』第1組曲作品46より「朝」と、白ワインの《Because, I’m Sauvignon Blanc from New Zealand》をマリアージュします。
この曲は、みなさんも一度は耳にしたことがある名曲で、小学校や中学校で朝の校内放送でも親しんだ人も多いかと思います♪
静かに広がる“朝の光”のようなメロディーが、爽やかなソーヴィニヨン・ブランと美しく重なり合うと思い選びました。
ノルウェーの国民的作曲家:グリーグ
〜北欧の自然と民族音楽を愛し、《北欧のショパン》とも評される代表的ロマン派作曲家〜

エドヴァルド・グリーグ(1843~1907)は、歌曲やピアノ協奏曲をはじめとする作品を多く残しました。
グリーグはノルウェーの港町ベルゲンに生まれ、ピアニストの母からピアノの手ほどきを受け、15歳のときにドイツのライプツィヒ音楽院へ留学しました。
この時に、ピアニストのクララ(シューマンの妻)が演奏するシューマンのピアノ協奏曲を聴いたことが、その後のグリーグのピアノ協奏曲に大きな影響を与えたと言われています。
音楽院を卒業後、デンマークのコペンハーゲンでも学びます。24歳で声楽家のニーナと結婚し、グリーグの歌曲の大部分がニーナへ捧げられています。
ノルウェーへ帰国し、33歳で初演された「ペール・ギュント」は好評を博し、グリーグの名声はヨーロッパでも高まり、その後は世界各国から演奏旅行の依頼が舞い込むようになりました。
晩年のグリーグの生活は、春から夏にかけて作曲、夏から秋は山歩き、秋から冬は演奏旅行をするという、落ち着いた豊かなものでした。
波乱万丈の物語『ペール・ギュント』
「ペール・ギュント」は、ノルウェーの劇作家イプセンの戯曲にグリーグが書いた付随音楽で、全27曲からなります。
物語は、夢見がちでほら吹きの主人公ペール・ギュントが、世界を放浪しながら数々の冒険と失敗を繰り返し、最後には故郷へ帰り、長年待っていた恋人ソルヴェイグに迎えられて人生を終えるという、波乱に満ちた旅の物語です。
恋や欲望、挫折、人生の喜怒哀楽が、音楽によって豊かに描かれています。
グリーグの代表作:ペール・ギュント第1組曲 Op.46
今回は、NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団(北ドイツ・ハンブルクを拠点とするオーケストラ)の演奏をお聴きください♪
第4曲まで演奏時間は、約15分と短いので気軽に聴いてみてくださいね。
【第1曲:「朝」】
ノルウェーの田舎の朝を描いたと思われがちですが(実は私もそう思っていました…)、実は物語の主人公ペールがモロッコで迎える朝の情景を音楽で描いた曲なんです。
フルートのやわらかく繊細な旋律が、まるで朝の光のようにゆっくりと広がっていきます。
やわらかな光が差し込むように、音の重なりが増していきます。
中間部の盛り上がりでは、音に厚みが生まれ、光が空いっぱいに広がっていくような希望と開放感があります。その後、再び静かになって終わります。
1日のはじまりにぴったりな、穏やかで静かな余韻をもった曲です。
ソーヴィニョン・ブランとの相性は?
今回は全4曲の中でも最も有名な第1曲「朝」と、ニュージーランドのソーヴィニョン・ブランとマリアージュしました。
ワインのキャッチフレーズは「トロピカル、なのにハーバルないいとこどり」💚
このワインの、トロピカルでありながらも爽やかなグリーンのアロマは、まさに「朝」の音楽の世界観そのものだと感じました。
実際に冒頭のフルートの旋律を吹いてみたら、グラスから立ちあがるハーブの香りが、音の透明感と重なり合いました。
特に、静かな導入から中間部へとクレッシェンドしていく部分は、音の厚みと口の中で広がるトロピカルな味わいがマッチします。
キウイやマンゴー、グレープフルーツ、そして清涼なハーブの香りは、朝の穏やかな旋律と合わせることで贅沢なマリアージュになりました。
晴れた昼下がり、窓を開けて光と風を感じながら、音楽とともにソーヴィニョン・ブランをぜひ味わってみてください♫
(ビコーズワイン運営スタッフ 三浦いづみ)