音楽とワインのマリアージュ♪ ブラン・ド・ブラン ✖ ジムノペディ第1番

こんにちは。ビコーズワイン運営チームのいづみです。
ワインを片手に音楽を聴く、そんなひととき、最近ありましたか?
実は、音楽とワインにも“相性”があるんです。
音楽の雰囲気に合わせてワインを選んでみると、なんだか気持ちまでふわっとほどけて、特別な時間になることも。
このコラムでは、フルート奏者でもある私が、音楽とワインのマリアージュをご紹介していきます♪
ジムノペディ第1番 × ブラン・ド・ブラン
今回は、エリック・サティ作曲《ジムノペディ 第1番》と、南フランス産スパークリングワイン《Because, l’m Blanc de Blancs from France》を合わせてみました。
この曲はBGMとしてもよく使われているので、どこかで耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。ピアノを習っていた方なら、実際に弾いたことがあるかもしれませんね。
暑さが続く夏の午後、にぎやかな音や濃厚な味よりも、やさしくて透明感のあるものに心が惹かれる時はありませんか?
そんな時におすすめしたいのが、サティの名曲《ジムノペディ 第1番》です。
静かに流れるメロディーに、どこか涼しげな風を感じるこの曲。
夏の午後のひとときに、グラスの中で静かに立ちのぼる泡とともに聴くと、ゆったりとした気分になれます♪
派手さはありませんが、あとに残る余韻がとても静かで美しく、ブラン・ド・ブランのやさしい味わいに寄り添う一曲です。
「音楽界の異端児」作曲家:エリック・サティ

19世紀末から20世紀初頭に活躍したフランスの作曲家、エリック・サティ。
パリ音楽院で学んだものの、型にはまらない姿勢を貫き、“音楽界の異端児”とも呼ばれました。
奇抜なタイトルや風変わりな楽譜の指示も特徴で、ドビュッシーやラヴェルといった作曲家たちにも大きな影響を与えました。
「ひからびた胎児」、「犬のためのぶよぶよとした前奏曲」など、サティのユーモアが現れている曲名ですね。
興味深いのは、1920年に作曲した「家具の音楽」。この曲は、家具のようにそこにあっても日常生活を妨げない音楽といったものを目指して書かれています。
サティが提唱した「生活の中に溶け込む音楽」という思想は、現在のイージーリスニングやBGMのルーツと言われています。
「ジムノペディ」はサティの代表作で、22歳の時に作られた曲ですが、BGMの代表曲といえるほどの安心感やリラックス効果があり、センスのある曲といえますね♪
「ジムノペティ第1番」とは?
ジョージア出身のピアニスト、カティア・ブニアティシヴィリの演奏をお聴きください♪
(音量大きめでちょうどいいと思います)
ジムノペディは第1番から第3番まであり、第1番が有名で誰もが聴いたことがある曲ではないかと思います。「ジムノペディ」とは、古代ギリシャの祭礼から着想を得たと言われていますが、音楽自体はとても静かで内省的です。
今回取り上げる、第1番は「ゆっくりと悲痛に」という指示があります。
曲全体が、ちょっとミステリアスで物悲しいメロディが繰り返されます。その単調さが、永遠に続く時間の流れに導いてくれるようです。
どこか儚さもありながら、聴いていると心の奥がすーっとほどけていくような感覚です。
曲は3拍子ですが、伝統的なワルツの軽快さとは異なり、静けさや揺らぎ、瞑想的な雰囲気を感じます。
主旋律はシンプルで、それにより音楽の純粋な美しさが際立ちます。
曲の終盤では、音楽が徐々に消えていくような感覚があり、余韻が深く残ります。
この部分は、サティの「音楽の中の空間」を感じさせる哲学を象徴しています。
ブラン・ド・ブランとの相性は?
今回マリアージュ選んだのは、白ブドウのみで造られるスパークリング《 Because, l’m Blanc de Blancs from France》、南フランス産のワインです。
繊細で優美、白い花やレモン、アプリコット、ジンジャーやハーブの香りがします。ドライかつフレッシュな味わいが、夏の熱をそっと鎮めてくれるよう。
口に含んだ瞬間に、きめ細やかな泡がジムノペディのゆっくりと寄せては返す旋律と自然に重なります。特に、曲の終盤で音がふっと遠ざかっていくような瞬間と、ワインの余韻が静かに消えていく感じがぴったり。
晴れた午後には、木漏れ日の中で静かに揺れるように。
雨の日には、窓をつたうしずくのように。
その日の気分や空気にそっと寄り添ってくれる曲とワインです。
忙しい日々の癒しタイムに、涼しい部屋でグラスを片手に、サティの音楽とともに静かなマリアージュを楽しんでみてください♪
(ビコーズワイン運営スタッフ 三浦いづみ)